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以前お知らせした「日の丸・君が代」問題の集会に行ってきたので、感想を書
きます。
会場の「シニアワーク東京」は都の建物だそうですが、ずいぶん立派な箱物で
した。入口ではピースボートとかグローカル(構造改革派?)などがビラを配っ
てました。
報告者が5人いました。発言要旨は以下のようでした。
徐京植氏(作家):彼は詩の朗読ばかりしてました。
高橋哲哉氏(東大教授、「ショアー」の上映運動などしている):この問題は
結局憲法第1条の問題であり、戦後50年で改憲できなかったことが日本の民主主
義の未成熟を表わしている。
中西新太郎氏(サブカルチャー評論家):もともと国旗・国歌の問題は民主
的に議論して決着する性質のものではない(何によって決着するのかは不明)。
日本の若者はフリーターなど市民社会からドロップアウトし疎外されていて、政
治に絶望している。
岡本有佳氏(生活クラブ生協):本の共同購入の話。
ノーマ・フィールド氏(日本文学研究者):何を言いたいのか不明。日本は福
祉国家だからアメリカよりマシだとか言ってました。
聴衆は 300人ほどで、立見の人もいました。討論で発言した聴衆のなかには
大学教授や牧師や活動家などがいて、「日本で民主主義が死ぬ日」という集会の
タイトルがおかしいという意見が相次ぎました。
在日朝鮮人の女性が、日本国憲法は非国民の少数者を「民主主義」から排除し
ていると非難してましたが、この点は少し議論になりました。
高橋哲哉氏:国民国家の民主主義は特権者の民主主義にすぎない。日本国憲法
の「国民」規定は2通りあって、英訳ではpeopleとなっているところもある。民
主主義とは国家の枠をこえたラディカルなものだ。
聴衆の出版関係者:「民主主義」は統治の方法としてもっぱら理解されている
が、運動の過程としての民主主義もあるはずだ。
ノーマ・フィールド氏:民主主義とは資本主義を存続させるための手続きにす
ぎない。また民主主義の形骸化は日本だけでなく先進国共通である。しかし人間
は不完全だから(?)、欠陥だらけの民主主義に依拠するしかない。
実行委員の東氏は忙しそうでした。国旗・国歌法が成立したあとも学習会など
を企画してゆくそうです。