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堀内です。
今井様、研究会の皆様、以下当日配られたレジュメです。


現代資本主義の構造変動と中小企業問題
-日本経済の構造転換と中小企業の存立問題-
                        東洋大学 吉田敬一

(1)キャッチアップ型経済構造の主な論点
 1.日本のキャッチアップ型経済構造の特徴
  *戦略的産業振興政策
  *企業集団体制による仕切られた競争メカニズム
  *重層的・弾力的生産分業システム
  *中小企業における支配・収奪と生産力的統合の仕組み

 2.キャッチアップ型段階での生産分業体制と中小企業
  *重層的・弾力的生産分業システム
  *中小企業における支配・収奪と生産力統合の仕組み
  *-JITシステム・承認図方式・ユニット受注・系列化-

(2)フロントランナー型経済構造の主な論点
 1.産湯と共に赤子を捨て去る構造改革政策
  *新3Kないし4Kによる国民経済基盤の新自由主義的解体
  *文明型産業と文化型産業の区分を無視した市場万能政策
 
 2.本来のフロントランナー型経済の目的と政策的枠組み条件
  *日本的特色を持った豊かな社会の発想がない
  *人間・生活までもが市場原理で動かされつつある
  *地域コミュニティーの崩壊を条件付ける地域開発
  *欧米に見る地域経済・社会進行の枠組み条件

 3.中小企業固有の新たな役割
  *文化型産業・営業と地域コミュニティーの関係
  *二本足の経済基盤構築を目指して



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誤解があると思いますが、僕が理解したところだいたいつぎのことが
いわれていたように思います。

(1)日本の製造企業(念頭にあるのは自動車産業)は、ピラミッド型
の生産分業システムを形成していた。それは、第一の階層から第三の
階層まである。第一の階層は、ピラミッドの最上部にあり、完成品メーカ
ー・重要部品メーカー(組み立てに専念)、第二の階層は中小部品メーカ
ー(ユニット受注型複合加工型の中堅・中小企業=協力工場)、第三の
階層は裾野にあり要素部品生産・専門加工型中小零細企業(いわゆる
町工場)で構成される。 
 こうした階層構造ができた条件は次のとおりである。第二階層での工作
機械が汎用機ではなくて専用機中心のラインであるので生産性を高める
ことができる。(欧米と比較した場合の日本の中小企業の特徴)。その反
面、企業秘密がもれないようにするために第一階層の特定の大企業との
下請け関係が固定化される。第一と第二の階層は運命共同体である(系
列)。第三の階層は無在庫管理によるコストダウンと品質の向上(余分に
納品できないから品質が高度に管理される)の条件となっていた。
 しかし、円高、ME革命(技能熟練不要になるから、どこでも生産可能に
なる)によって、第一・第二階層が海外へでていく条件が生まれた。90年
代以降、第三階層は仕事を失い、転廃業が進んでいる。受け皿がない。
しかし、第三階層は何をつくるか(設計)という能力はない(市場に接し
てない)が、いかにつくるかという能力は相当高い。
 そこで、(2)の話になる。下請け企業でなく、日本文化、地域に根付い
た独立した中小企業をつくろうと。そのための方法は、これからの課題
ということでした。

 資料も配られました。
「表 文明型産業と文化型産業のイメージ」など。その中の
文明型産業(規格化・標準化・低価格・量産量販)の例:フォルクスワーゲン
文化型産業(専門化・独創性・適正価格・質産質販)の例:
メルセデス・ベンツのSクラス車
 
などの区分けはちょっと意味がわかりませんでした。 

長くなってすみません。