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 ISM研究会の諸君,エモーショナルな言の葉研究家の今井である。

「イクスキューズみぃ? ウェアぃずヒルトゥンほてる?」

 新宿西口あたりを歩いていると,よく外人からこういう質問を受ける。私は
どちらかと言うとシャイな性分なので,こういう場面に出くわすと,緊張のあ
まり,──
「あいむそ〜り〜,アイきゃんノットすぴ〜くジャパニーズ」
などと全く意味不明な言語を発声し,尊皇攘夷の志を新たにしたものだ。

 そういえば,先日,人語を解する賢いエテ公,ボノボのカンジ君と,日本の
中学生たちが衛星回線を通じて会話するという衝撃的な学術番組がNHKで放映
されていた。“さぁ,いよいよカンジ君が出てきますよぉ〜,みなさんは今ど
ういうお気持ちですかぁ?”というアナウンサーの質問に対して,いたいけな
少年がその汚れを知らぬ口から発した言の葉は,われわれ真正右翼の心を強く
揺さぶった。

「ボクの英語が,本場アメリカの猿にホントに通用するのか,スッゴク緊張し
ています」。

──わかる。それは緊張するだろう。なにしろ相手はアメリカンなモンキー
だ。ヤンキーモンキーなのだ。食べるものからして違うに決まってる。

 話は打って変わって,かなり遅れたが,ここで20世紀のエモーショルな言の
葉大賞を選んでみたいと思う。20世紀を通じて,どの言の葉がわれわれの胸を
最も激しく打ったのか。これこそは21世紀に伝えねばならぬというのは,どの
言の葉か。

 20世紀は戦争と殺戮の世紀であった。われわれは二度の世界大戦の果てに,
遂に他ならない人類と,この美しい地球とを滅ぼしかねない力を手に入れた。
今日楽しく語らっていたのが明日になれば殺しあいをする,今笑っていたのが
次の瞬間には熱風と轟音の中に塵となる。──正に20世紀にふさわしいのは憎
しみと苦しみの言の葉であろう。

 だが,だからこそ,われわれが選ばなければならぬテーマは,愛なのだ。こ
の果てしない恐怖と底知れない狂気から,ただ愛だけが人類を救うのだ。自分
たち自身の無限な能力を自分たち自身の消滅に向けて暴走させてしまった人類
にとって,愛こそが最後に残った拠り所なのだ。

 さればこそ,私は以下の愛の言葉を,20世紀のエモーショナルな言の葉大賞
に選ぼうと思う。

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結婚します,
    私,
        オリバー君と
            結婚します。

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──オリバー君は人間だと断言した女性の発言